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微分のノート

微分のノート

概要

離散でない付値体上のノルム化可能な位相線型空間の間の写像の微分についてまとめたものです(といっても,後半は係数体をRに固定していますが).いわゆるFréchet微分というやつです(本稿では単に微分と呼んでいます).

Dieudonnéの『現代解析の基礎1』にBanach空間における微分について書いてあるのを見てから,ずっと自分なりに整理したいと思っていたのですが,それを実現したものです.こういうふうに定式化すると,高階微分がきわめて自然に定義できて良いなと思います.まだ詰めが甘いなと思う箇所が複数あるのですが(germを使って定式化していないところとか),とりあえず公開してしまいます.

まとめてみた感想ですが,R上では有限増分定理がめちゃくちゃ偉いですね.一般の離散でない付値体上でどこまでR上の微分の議論が通用するのか気になっていたのですが,有限増分定理がRの性質に大きく依存しているところを見ると,だいぶ厳しそうだと思いました.でもp進解析というのも聞きますね.Q_p上ではどうしているのか気になるところです.

更新履歴

2019-05-05: 公開

2019-05-12: 和文フォントを変更しました.