自主的にやっていた「Gelfand理論のセミナー」で話したことをまとめました.前半は単位的可換Banach代数に対するGelfand変換の定義とその理解が,後半は単位的可換C*代数に対するGelfand–Naimarkの定理の証明が,それぞれ山場になっています.話が複雑にならないように,単位的でない場合については何も触れませんでした.
前提知識は,関数解析の基本的な議論に慣れている程度です.複素解析の結果を用いる箇所がありますが,それは事実として認めれば済むと思います.
2023-09-16: 「Gelfand理論のノート」の増補改訂版にあたる,「C*代数」を公開しました.今後はそちらを更新することにします.「Gelfand理論のノート」はもう更新しない予定ですが,セミナーノートとして残しておこうと思います.
2020-01-31: 公開
2020-03-20: 単位的C*代数の正元,単位的C*代数上の正値線型形式や状態,Gelfand–Naimark–Segal 構成についての解説を加え,任意の単位的C*代数がある作用素のなす単位的C*代数に同型であることの証明も載せました.正元に関連して,連続線型作用素の極分解についても触れました.
2020-03-22: 誤植などを修正しました.誤植の修正は,蟹江藻介 さんから頂いた指摘によります.ありがとうございます.
2020-04-05: 誤植を修正しました.また,「Hausdorff」を「分離」に改めました.
2020-04-20: 誤植を修正しました.
2020-09-08: 内部で使っている自分用のパッケージの更新に伴い,文書をコンパイルし直しました.これにより,内積の記号が変わっています.また,誤植などを修正しました.誤植の修正の一部は,ねす さんから頂いた指摘によります.ありがとうございます.
2020-09-18: 正作用素の特徴付けについて,少しだけ追記しました.
2021-10-21: 細かい誤植を修正し,いくつかの証明を簡略化しました.また,内積が「左は線型,右は共役線型」から「左は共役線型,右は線型」に変わっています.